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吉田清治証言の虚偽性は即ち従軍慰安婦問題=虚偽となるのか

我が家の購読紙である朝日新聞の誤報問題でメディアでは
朝日新聞への強烈な批判が起きていますが
吉田清治証言の虚偽性は歴史学者・秦郁彦氏の検証ですでに
「常識」になっていたと思っておりました。
今になって吉田清治は嘘付きだから
慰安婦問題などなかったという主張があふれていることを危惧しています。

問題はそこからであって、吉田証言=虚偽であることは、
従軍慰安婦問題=虚偽になるのか?

京都大学の永井和教授の論考を信じるならば、
旧軍や内務省の手段はかなり手のこんだもので
結論から言えば、民間業者に「汚れ役」を委ねることで
大日本帝国の体裁さえ取り繕うことができれば、
日本人であれ朝鮮人であれ台湾人であれ中国人であれ
「本人の合意」は重要な問題でなかった、
というのが当時の官憲の姿勢であった、というものでした。

わたしの尊敬する基督者の一人に
廃娼運動に生涯を懸けた救世軍の山室軍平中将がいます。
必要悪とされる売春業が実際はどれだけ女性を蹂躙しているかを
その仕組みの悪魔的な狡猾さを深い信仰から見据えて
廃娼を叫んだ、女性の人権という点での先見者でした。
女性に貞操を求めるとともに、女性に貞操を求める以上
男子の節操も重んじねばならぬという点で
良い意味で古風な男女平等主義者でもありました。
そういう視点がわが大阪の橋下市長などには
完全に欠落していたなと今更ながら思っております。

個々人に侵すべからざる尊厳があるということを抜きにして民主主義は成り立ちません。

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歴史・宗教」カテゴリの記事

コメント

この問題では「世界中で似たことは起きているのに、なぜ日本だけが」という日本国民の鬱屈がかなりあることでしょう。わたし自身も今でもそう思うことがあると告白します。旧ソ連軍によるドイツ進撃時のドイツ女性への凄惨かつ膨大な蛮行は今でも記憶されています。この種の問題で潔白な民族など存在しないでしょう。

しかし、他国、他民族で類似のことがあるというのは、罪責の軽減にはならないのです。他者もまた罪深いということ。「みんなやってた」で自己を庇うのではなく、過去の自国の罪責として捉える必要があると思います。

吉田清治証言は虚偽ではない、という主張を紹介します。

前田 朗
「慰安婦」問題の現在―「朴裕河現象」と知識人 2016/4/14
三一書房

今田 真人
緊急出版 吉田証言は生きている 慰安婦狩りを命がけで告発!
初公開の赤旗インタビュー 2015/4/11
共栄書房

吉田証言の真偽については、朝日新聞自身の訂正とそれまでの検証で結論は出たと考えます。

結論は出ていませんよ。ぜひ上に挙げた2冊を読んでください。吉田証言は虚偽などではないことがわかります。

前田 朗
「慰安婦」問題の現在―「朴裕河現象」と知識人 2016/4/14
三一書房

これは読まれましたか?

今田真人
「吉田証言」は本当だった 公文書の発見と目撃証人の登場

が収録されています。「慰安婦」強制連行に関する文書はほとんどが敗戦直後に焼却処分されているため真実の解明が難しくなっているのですが、極秘文書を保存していた内務官僚がいて、その遺族が国会図書館に寄贈したものが発見されたのです。「吉田証言」は虚偽ではありません。

ところで、これについてキリスト教的にはどう考えますか?
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12173303787

長らく失礼しておりました。

まず、御紹介下さった歴史書、論文が今なお
未読であることをお詫び致します。

亡き吉田清治氏自身が、著述に創作が混じっていることを認め、それ以来史料としての信頼性が著しく低下した、と解釈していました。

創作部分を除き、真実が証言の中にあった、ということなのでしょうか。日本政府、陸海軍が敗戦直後に膨大な焚書をしたことで、真実や罪責の所在を探るのが困難になったのは間違いないことでしょう。鈴木貫太郎内閣は一時の責任回避の為に、歴史に対して罪を犯しました。ただ、あの証言をまだそのまま受け入れ難い自分がおります。

実を言うと、慰安婦問題は重い、向き合うのが苦しい出来事です。遠ざかりたいという思いがあります。然し、向き合わねばならないのでしょう。7月末までには、大阪府立図書館などで読むように努めます。

「知恵袋」の質問についてですが、件の人の状況が今ひとつわからない為、何とも言えません。
「キリスト教的に」とは簡潔明瞭に答えを出せない場合が多々あるからです。しかし、一人の女性とその子供の為に、自らが夢を断念するのは尊い犠牲であると言うことは出来ます。愛とはそのような犠牲を伴うことが殆どです。

こんばんは。今日、国立国会図書館の関西館へ赴き、『「慰安婦」問題の現在』所収の今田真人さんの論文を読むことができました。

私の感想から申し上げます。五里霧中、です。
件の公文書の存在、発見により、吉田証言、または同様の犯罪が真実であったとの類推は可能だと思うのですが、決め手が弱過ぎます。吉見教授の調査で、吉見教授に確信を与えることができなかったのは「痛い」ことでした。

吉田証言か真であるとの類推は可能でも、証言そのものの裏付けがない、と感じた次第です。ただ、日本政府、日本陸海軍が終戦直後に膨大な
焚書をしてしまった以上、日本政府から「吉田証言は虚偽なのだ!」と力説するのは無理筋でありましょう。

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