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先住民族たるアイヌ民族の尊厳

札幌市議会の自民党所属・金子快之議員が次のような暴言を吐いたことで
話題になっていることはご存知の方も多いと思う。

「アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね。せいぜいアイヌ系日本人が良いところですが、利権を行使しまくっているこの不合理。納税者に説明できません。」

先住民族を「いまはもういない」と百科事典の一項目で断言し、
一つの民族について「利権を行使しまくっている」と断じてはばからない愚かしい言葉。
多数派の「和人」に向けて「アイヌ民族の扱いは逆差別だ」との反感を煽る趣旨であること、言を俟たない。

旧皇族末裔の竹田恒泰氏が同様の暴言を「在特会」について述べ
「在特会はいいこともした」と愚かしい言葉を吐いたが、同類であろう。

明らかな差別だが、当人には撤回の意志もなく、自民党も咎めないらしい。
情けない限りだ。

札幌市の円山には「北海道総鎮守」としての北海道神宮があるが
同じ多神教のアイヌの神々は境内に祀られていない。徹底した同化政策がその根底にあった。

嘗て11年間北海道に暮らしたわたしは、わたしたち「和人」が
先住民族の山河を原状回復不可能なまでに
収奪した歴史は僅かなりとも知っているつもりである。

往時を取り戻すことができない以上、せめて先住民族の尊厳を守ることは
「和人」の務めではないのか。

嘗ての北海道民の一人として憤りを込めて記す。

付記
自民党会派が野党の抗議を受けて一転、撤回と謝罪を求めているらしい。
抗議がなければなあなあで済ませて動こうともしなかった与党会派。

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歴史・宗教」カテゴリの記事

コメント

「保守」だというならどうして他民族のアイデンティティに敬意を持てないのだろうか。「アイヌ民族などもういない」。彼がそう認識するほどの収奪と同化政策があったとまで想像できないのだろうか。ただの大和民族至上主義ではないか。

「わたしはアイヌ民族だ」そう認識する人が存在する限り、アイヌ民族は厳然として存在するのだ。

どうしてこれ程の暴言がお咎めなしになるのか。不条理の多さ。

>同じ多神教のアイヌの神々

北千島アイヌは多神教徒ではなく正教会の信徒だったのですよ。1875年の千島樺太交換条約で来た千島が日本領となったとき、日本は北千島アイヌが正教会を信仰していたことから国境防衛に不安を抱き、北千島アイヌを色丹島に強制移住させました。北千島アイヌは慣れない農耕を強制され、また日本人が持ち込んだ伝染病などによって絶滅しました。

北千島アイヌの人々についてのご教示ありがとうございます。キリスト教信仰を受け容れていた人々の強制移住については実は初めて知りました。わたしの学問が足りません。

日本による統治の苛酷さ。アイヌ民族の尊厳を守ることこそ、苛酷な統治の犠牲になった人々の魂に対してできるせめてものことでしょう。主が北千島の人々のみならず犠牲となった方々に永久の安息を賜ることを祈ります。

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