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遠く峰々を仰いで

日曜日から、もともと勤め先の休日である月曜日、そして祝日の昨日と続けて
今日一日会社から休みをいただき4連休という日々をすごしています。

昨日、鬱々とした思いを少しでも散じることができれば、何か雄大な光景の中に身をおいて
心を安んじたいと思い、富山県まで日帰りで足を延ばしました。
雪におおわれた立山連峰を富山湾越しに見てみたかったのです。
海抜3000メートル級の峰々が海から聳え立つ光景は実は世界でも珍しいのだとか。

京都駅から特急「サンダーバード」(なぜ「雷鳥」というゆかしい言葉のままにしておかなかったのか・・・)
に乗りこみ約3時間近くかけて富山県の高岡駅まで。車窓から見た、雪におおわれた北陸の峰々には
美しさとともに凛とした厳しさを感じ、わが愛する、しかしあまりにも雑然とした
大阪の地とはまさに別天地を思わせました。わたし自身がその雑然とした大阪を構成する一人なのですが
時折無性に静謐な世界に駆け込みたくなるのです。今回の旅もそれが理由の一つでした。
そのような環境に身を置いたら置いたで、大阪の混沌ぶりが恋しくなるのでしょうけど。

高岡駅から氷見線のディーゼルカーに乗り換えて、終点の氷見まで。
高岡に氷見といえば、かの漫画家の藤子不二雄こと
藤子・F・不二雄さん(高岡)と藤子不二雄Ⓐさん(氷見)の出身地。
氷見行きのディーゼルカーには『忍者ハットリくん』のイラストが描かれていました。
車中の放送でも懐かしのテレビアニメ「ハットリくん」の声で、
「まもなく左に見えてくるのが二人が運命の出会いを果たした高岡市立定塚小学校じゃよ」
との声があり、思わず見入りました。

しばらく進むと右に富山湾が。冬の日本海ですが、おだやかな凪。
碧色の海に砂浜の松の木々にいくつかの離れ小島。たとえ日帰りでも遠くへ来て良かったなあ、と。

遠く富山湾の彼方を望んだのですが、残念なことに立山連峰は雪雲におおわれて
中腹の一部がかろうじて見える程度。旅の一番の目的が果たせなかったのは惜しいことでした。

氷見から大阪まで帰りはひたすら普通列車を乗り継いで約6時間半。
車中で読んだのは旧約聖書『哀歌』と新約聖書『コリントの信徒への手紙1』と
矢内原忠雄『聖書講義 詩篇』。

「軛を負わされたなら
黙して、独り座っているがよい。
塵に口をつけよ、望みが見いだせるかもしれない。
打つ者に頬を向けよ
十分に懲らしめを味わえ。

主は、決して
   あなたをいつまでも捨て置かれはしない。
主の慈しみは深く、
懲らしめても、また憐れんでくださる。
人の子らを苦しめ悩ますことがあっても
それが御心なのではない。」(『哀歌』3章28-33節)

「兄弟よ、智慧に於ては子供となるな。悪に於ては幼児となり、智慧に於ては成人となれ。」
(『コリントの信徒への手紙1』 14章20節 文語訳『コリント前書』

「苦しみや禍を、そのもの自体直接に解決しようとしても、どうしても出来ない。自分の方が敗ける。我々の力は弱いから、負ける。信仰を以てといふけれども、我々の信仰そのものが弱いから、自分の信仰を以て人生の問題や社会の問題を解決しようとしても、こちらの方が力敗けするのである。さういふ時に、自分の無力を感ずるは当然であつて、我々は一切を捨ててしまつて、ヱホバ(ヤハウェ)の所に飛込んで往く。そしてヱホバが我々のために救の角を挙げたまうたといふことだけに、我々の心を集中すべきである。自分並に自分の人生をかへりみて、それが惨憺たる失敗に満ちること。自分に要求せられてゐる義務を十分果すことが出来なかつたこと。信仰は純潔にと教へられてゐるのに、純潔でなかつたこと。かかることをかへりみて、自分は神に合す顔がないと考へて、神から離れて往くことが、最大の悲惨事である。そんなに自分といふものを重んずることは何の理由もなきことであつて、我々が自分自身について、或ひは世の中の事について、手のほどこしやうがないといふ時であればこそ、我々の為めに一つの角を挙げ給うたヱホバ(ヤハウェ)に走つてゆく。而して神が我々のほまれのために、救の角としてあげ給うたキリストに我らの顔を集中する時、そこに局面は全く転換して、宇宙万物、人事百般、悉く讃美の一大オーケストラを成すことを知るのである。」(矢内原忠雄『聖書講義 詩篇 第148篇 讃美の大合唱』

昨日一日を与えられたことに感謝です。
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