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『藤井武全集』を部屋の中で探して

今日、部屋に積み重なっている書籍を、キリスト教関連のものを中心に
整理しました。といっても置き方を変えただけですが。

以前神戸のキリスト教古書店で買い求めた
無教会主義の伝道者藤井武の『藤井武全集』が全10巻あるべきところを
いつのまにか8冊しかなく、あわてて本の山をかき分けて
なんとか残り2冊を発見した時の喜び!

藤井の親友・矢内原忠雄は戦前に『藤井武全集』の発行に尽力し
東京帝大教授在職中に梱包、発送等を引き受け奔走しました。

膨大な『矢内原忠雄全集』のどこかにあった話でしたが
『藤井全集』販売後数年して、『藤井全集』を生活苦から売らざるを得なかった
一読者からの手紙がありました。

小さな新聞社を経営していたが
当局はキリスト教信仰の故を以て陰に陽に圧力をかけてくる。
とうとう新聞社の経営もたちゆかなくなった。
生活のために矢内原先生が手塩にかけた『藤井全集』をも売らざるを得なくなった。
先生、どうかお赦しください、と。
ここまでひとつの書物に真剣に向き合っていた当時の人々でした。

矢内原は返事をしたためます。「お売りなさい」と。
生活のためなら紙の本はいくらでもお売りなさい。
しかし藤井武がその書を通じて伝えてくれた信仰は忘れないように、と。
その文章を読んでいて涙、涙でした。

本を次から次へと消費するだけの私、平成の私たちにはない
信仰への熱い、篤い思いがそこにはあります。
書物を通じて伝えられた信仰の熱意は、実生活にただちに反映されて
矢内原の、その一読者の誠意になりました。
自分も真剣に真剣に書物に向き合わねばならないと教えられました。

矢内原の「気持」という短言があります。
その一節。

「信仰の心を以て書きたい。個人は個人を信ぜず、国は国を信ぜず、人の心が冷えて居るではないか。」

この文章をわがものとしたいと願います。

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