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まず同情すべき人は誰か

この「享安堂」では常に真剣に書き綴っていますが
今回、自分としてはかなり踏み込んだ内容になります。

オランダで女王が王太子に譲位され、
やがて新王の即位式が行われるのに合わせて
世界各国の王侯が招待を受けています。
むろん我国の皇室もその対象で、皇太子殿下と妃殿下が招待の対象となるそうです。

すでに報道で知られているように、妃殿下の病により
両殿下はなかなかオランダご訪問の決定にまで踏み込めず、
医師団の見解待ちだとか。宮内庁長官が「一刻も早くお決め頂きたい」と
公式会見で述べるまでに切羽詰った状況のようです。

皇太子殿下と妃殿下、ご夫妻がともに赴かれるのか、
あるいは東宮さまお一人なのか、或いはほかの皇族にお願いするのかで
日本側もオランダ側も、動くべき人員、もろもろの準備など、まったく異なってくる筈なので
宮内庁長官の焦りは理解できます。

妃殿下が「適応障害」と診断されてもう長い月日が経っています。
いわゆる「心の病」ということになるのでしょう。

さまざまなことが漏れ伝わってきます。真偽定かならぬことばかりです。
ただ、もう「温かく見守る」だけの段階は過ぎたのではないかと思うのです。

私がどうにもならぬ感情を覚えるのは
「未来の皇后陛下」は公人なのではないか、
その公人、女性としては皇后陛下につぐ地位の公人の治療について
「医師団」が顔を見せての発表を見たことがない、
ということです。真偽定かならぬことばかりですが「医師団」は宮内庁として
治療を依頼した方ではなく、東宮家が私的に依頼された医師のようですね。
正式に医療面で皇室の方々を支える立場にある皇室医務主管が
東宮家での治療について疑義を呈したことがありましたが、そういう状態は異常でありましょう。

私の通勤路の途中には、大阪府立精神医療センターがあります。
大きな大きな施設です。古びた、すすけたコンクリート造りの暗い雰囲気の建物の群れです。
先日金曜日、朝の治療を終えたとおぼしき人がバスに乗ってきました。
涙に咽びながら医師から言われたであろうことを大きな独り言で繰り返すのです。
そしてその言葉で必死で自らを励ましていました。
あるいは、時折枚方駅頭で見かける、一目で路上生活者だとわかる老人。
何かを射るようなまなざしで、きつく、つらそうな表情をしています。
路上生活者のかなりの割合が精神を病んでいて、その境遇がさらに精神状態を悪化させると聞きます。

かたや妃殿下は毎年毎年、長野県のホテルとスキー場を貸切にして「静養」をされています。
なんと言われようが、「同じく心を病んでいる人でもかくまでに差があるのか」と思わざるを得ません。

「それが世の中」「いちいちそんなことで真剣になって目くじら立てなさんな」という
「世間の常識」とは無縁の私です。真っ正直に思ったことを語ります。
すべての人が同じように「静養」することなど元より不可能です。
しかし、状況をほんの少しでも改善することは無理な話ではないでしょう。
この享安山人が『ビッグ・イシュー』を買うようなことでも何かの一助にはなります。

インターネット世界の片隅の、一日十数人の閲覧があるだけのここで
何を叫んでも届かないでしょうが、やはり願わざるを得ません。

皇太子妃殿下がどうか正式に責任ある医師による治療をお受けくださるように、と。
誰が治療担当者なのかもわからぬ「東宮医師団」による紙切れ一枚での
国民へのご病状の発表はもうおやめくださいませ、と。

以前にも述べましたが、私は強迫性障害と躁鬱病をわずらう精神障害者第3級手帳を持つ者です。
心身の病気の悪化で北海道での正社員の仕事をやめざるを得なくなりました。
その後、治療を続けつつ軽作業の仕事に従事できるまでには回復しました。

そんな私が思うことは、むろん精神疾患には数多の症状、種類がありますから
一般化などできないのですが、自分で出来ることがあるなら歯を食いしばってでも
嫌なこともやる必要がある、という事実です。
精神疾患を持つ人間でも、本気で社会復帰を目指すなら、
自分の望まぬ仕事も、医師の許容範囲内という制限付きでですが
いくらでもやらねばならない、自分が嫌なことから逃避して安逸に流れたら
その分誰か別の人が確実に苦しんでいる、という事実。

自ら立てないまでに心を病みきっている人には自ら立てる人が救いの手を。
少しでも自ら立てる人には自らしっかり立てる人が手助けを。
そして、自ら少しでも立てる人自身は嫌なことから逃げない勇気を。

オランダ女王の夫君は鬱病を病まれていたそうです。
ナチス・ドイツに虐げられた国でのドイツ系の夫君ということもあり、
重圧は並大抵のものではなかったでしょう。
夫君は伴侶の女王と共に病と闘われました。国民には事実を明らかにしました。
その結果、国民に祝福される王室があります。

どうか、我国の皇室が真に苦しみを乗り越えて国民に祝福される存在に
今上陛下の次の代も、またその次もその次もなるように願って已みません。


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コメント

思い切って書かれましたね。雅子さんのこと、書いてあること当然ですね。そして、皇太子に、少々欠けておる部分があることも、また、心ある日本人ならば、当然憂えておることでしょうね。救いは秋篠宮家の、ご長男様ですね。
私も、人知れず、この日本国の明日に憂い、危惧を覚えております。そして、今、この国の人は、ほとんどがそういう危惧はないように思えますね。
正直、明日の日本国がどうなってゆくのか、本当に心配ですね。そして日本国を心底から維持でき、守れるのは、皇室と、天皇陛下、ここが揺らいでは、この国は保てません。そういう危惧が、私には、ずっとあります。
よく言い出されました。享安人さんのご心配は、心ある日本人ならば当然です。
幸い、享安人さんは、私より若いから、余分にこの国を見れます。ぜひとも、この国の行く末を祈っておってください。天皇陛下と、皇室、これが日本国の命です。よろしくお願い申し上げます。

岩さん、こんばんは。お久しぶりです。

日本という国を保っていくには、やはりどうしても皇室を抜きにしてはならないでしょう。「反天皇制」であり、同時に今上陛下や皇太子殿下に個人的には親しみを覚えていたという網野善彦は、天皇の存在と日本の国号は「セット」なのだと自論を述べていますね。

わが尊敬する新渡戸稲造も内村鑑三も皇室を誇りとしていた人たちです。新渡戸は貴族院で「我国が他国より優れている点は皇室だけです」と、世界最長の王朝である皇室がかけがえのない存在であると訴えると共に、日本は何も他国、他民族より優れている点などない、うぬぼれてはならないと誡めています。不敬事件で全国から罵倒された内村は、弟子の塚本虎二に、日本の宝は皇室だよ、と語っています。その一方で陛下が一方的に神格化されることには憂慮し「このままでは千代田城にぺんぺん草が生えるよ」と厳しい言葉を発してもいたそうですが。

その皇室の次代を担われる東宮家は実に残念なことですが、憂うべき状態となっています。宮内庁長官から公の場で東宮さまへの苦言が呈されるなど、異常も異常でしょう。

妃殿下にはどうか一日も早く立ち直って、正式に責任を負う医師から診療を受けて頂きたいと願っています。そして本当にご快復なさるように、と。真偽定かならぬことですが、「東宮職医師団」の大野医師という人は、「やりたいことをやりたいようにするのが治療になります」と進言していると聞きます。病名は違いますが、同じく心の病で社会復帰を目指している者としては「それは患者を楽なほうへ、楽なほうへと誘導してしまうだけで、なんら治療になどならない」と思ってしまいます。

人は必ずしも年齢順にこの世を去るわけではありません。岩さんにはどうか長寿を全うされて皇室が国民から祝福され続ける姿をしかと見て頂きたいと思っております。

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