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『スターリン 赤い皇帝と廷臣たち』を読んでいて 来世への希望

休日の今日、仕事疲れから眠りを貪りつつもその合間に
『スターリン 赤い皇帝と廷臣たち』を読み進めていたのですが
ボリシェヴィキでは異常なまでに健康に関心があった
事ある度に転地療法をスターリンの妻らは試みていた、
との記述に「さもあらん」と納得しました。

言うまでもなく唯物論者・無神論者の彼らにとっては
この世での人生が全て。健康を失って死んでしまっては
全てがそれで無になるのですから自然と健康問題に
執着するようになるのでしょう。

スターリンの妻・ナジェージダ(ナージャ)はドイツの温泉地で
転地療法を試みていたそうですが
党員ではない人民たちにもそれを許そうとは思わなかったのでしょうか。
「腐敗した反革命思想に染まる危険がある」との恐怖感で
それを許そうとはしなかったはずです。
そこにソヴィエト連邦こそが既に腐敗して
党幹部層の権益維持の体制に堕していたことを思わされます。
生真面目な共産党員ナージャは常に「人民に奉仕する」ことを
考えていたようですが、その矛盾に気付かなかったのでしょうか。

(実は今週日曜日、教会での礼拝を怠りました。
前夜に好き勝手に飲食を楽しんでいたことによる
寝坊が原因でした。まずその事を悔いねばなりません。)

キリスト教徒の私ですが、死は無論恐るべきものですし
健康を失うこと、視力聴力、五体の自由を失うことへの恐怖は当然あります。
しかし、ボリシェヴィキの幹部たちが自ら棄て去り軽侮していた
「次の世界への希望」だけはあります。

自ら希望を棄て去った共産党幹部たちは、スターリンの粛清の際、
何も救いの希望を持つことができず死に追い遣られました。
「死が全てを解決する」と豪語して人々の命を
塵芥のように扱ったスターリンの卑屈な奴隷達は
自らが塵芥のように扱われて死んでいきました。

私は、彼らが人民たちに数多の罪責を負うことを考えに入れても
神が彼らの罪業をも十字架上で担い給い最終的には救いに導きいれて下さることを
祈り、信じるものですが、彼らに虐殺された反革命派の人々、
一般の人民、無実の罪を着せられた真面目な党員たちはあの世で
彼らを赦すだろうか、との疑問はあります。
神が犠牲者達に赦しの心をお与えくださると信じつつも。

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コメント


スターリン体制の恐怖、権力行使そのものが無差別テロであること。これに比べれば ナチズムの暴力は、如何に歪んでいるとはいえ、一定の基準がありました。

作曲家のショスタコビッチが、秘密警察に呼び出された時のこと。(逃げるという選択肢はありません。家族、友人全員がやられますから)
妻に永の別れを告げ本部に出頭してみると、彼を呼び出した署員が前の晩に消されていたと。呼んだ理由が判らなくなったから、帰っていいと言われたそうです。

一般市民は勿論のこと、最もスターリンの命令を忠実にこなしている秘密警察さえ、突然に粛清される。しかも、誰も理由が判らないのですよ。これが史上最悪、最低の国家テロル体制の一端です。

戦後、日本の学生諸君の一部では「スターリン、我らが命」という歌を歌ってたそうですが、笑い話で済むことではありませんよ。

レッドバロンさん、こんばんは。
ショスタコーヴィッチの話、恐怖の極みですね。本当に恐ろしく嫌な事です。そんな社会に生まれずに済んだ自分の幸運を思います。今の北朝鮮がそれに近い社会でしょうか。

嘗てスターリンを崇拝しながら、フルシチョフによる否定と同時にまともに己の思考を見つめなおすこともせずにそのままスターリン批判に転じ、更にまた思考を変えて行き・・・という思想家、文人、ジャーナリストは数多いるのでしょうね。思想を変えること自体は已むを得ないとしても、過去の己を見つめる勇気は自らに課したいと思います。

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