最近のトラックバック

« 仕事に追われています | トップページ | バッハ ヘンデル 私の大好きな音楽 »

「代表的日本人」の一人 上杉鷹山公 -人に騙されても騙すことはしない-

先だって童門冬二さんの書いた
米沢藩中興の英主・上杉鷹山公の伝記小説を
読む機会があった。

その中で強烈に印象に残ったのが
「御館さまは、人に騙されることはあっても、決して人を騙すことは
なさらない御方だ」との家臣の主君評である。
人間「騙すことも騙されることもない」のが理想ではあると思う。
しかし「騙されることはあっても騙すことはない」ことを
美徳と思う人は案外少ないのではなかろうか。

だいぶ以前に外国人滞日者を集めての討論番組で
「(犯罪は)騙されるほうが悪いと思う」と言い切る外国人がいたが
この感性は決して少数派ではないだろうと推測する。

マキャベリズムの観点では、騙すほうが騙されるより
君主にとっては美点だとなるであろう。
しかし、私は敢えて「人に騙されることはあっても、決して人を騙すことはしない」
姿勢を善しとしたい。「したたかな人々の生きる世間、ましてや外国ではそれは通用しない」
と言われるのは承知しているが、鷹山公が藩士・領民を動かしたのは
その至誠にあるだろう。
自分で言うのも難だが、儒学的素養の上に基督教の信仰を与えられた私としては
鷹山公のような伝統的な、内村鑑三の言う所の
「代表的日本人」の生き方を否定してまでの
「国際化」は望まないのである。

世上は多事多難、人の心は殺伐としていくであろうこの時代に
鷹山公のような不器用だが至誠を貫いた生き方から学ぶことは多いと思う。

今月15日、先帝陛下の伝記『昭和天皇伝』が
京都大学の伊藤之雄教授によって刊行される。
陛下の不器用な生き方に学んでいきたいと願うものである。

« 仕事に追われています | トップページ | バッハ ヘンデル 私の大好きな音楽 »

歴史・宗教」カテゴリの記事

コメント

鷹山公が どうして上杉家の養子になったかといえば、単純な理由で、江戸の藩邸がすぐ近所だったからなのだそうですね、お国入りしたら、最初から詰んでたという恐ろしい話ですが。


上杉家のお姫様は今でいう知的障害者でしたが、どんなに政務に忙しくても 鷹山公は必ず奥を訪ね、一緒にままごと遊びとかなさっていたそうで、奥付きの侍女が泣いて感謝してます。限りなく、聖人に近い方かもしれません。


騙すより、騙されよ、は友人の母上がよく仰せでした。先年、亡くなりましたが 代々クリスチャンのお家で、その方のお父様も牧師さんでした。

しかし、私は マキアベリの立場にもいささかの同情を禁じえません。イタリアのような大陸・半島に位置する国家や民族の困難さは、日本のような島国では想像もつかないのでは?と愚考する次第です。

日本の戦国時代とイタリア・ルネサンス期の大なる違いは、イタリアの場合、妻に一服盛られた君主が大勢いることだそうで…。

現代であっても、県知事や市長には 鷹山公のように清廉かつ誠実であって欲しいと願います。しかし、外交や防衛・外事警察関係の場合はさてどうでしょう?

失礼なことをお尋ねするようですが、聖書で言う「兄弟」とか「隣人」もどこかで範囲を区切っているのではないでしょうか?勿論、全人類という概念はあるにしても。古代には理念に加えて+現実的な知恵もあっったような気がするのですが。残念ながら世界は、というより大陸はフェンス一枚、天国と地獄でありまして。

俳優のピーター・オトゥールは (大のつくイングランド嫌いでしたが)祖国アイルランドをして、人間が品格を持って生きられる唯一の場所、と語っておりました。

アイルランドやニュージーランドなど、島国には何か そういった共通のトーンがあるような気がしています。

レッドバロンさん、こんばんは。マキャベリはイタリア統一を願う真摯な理想があったからこそ『君主論』ほかで示されたマキャベリズムを主張したという見方もあるようですし、それは正しいのだと思うのですが、彼が頼ったチェーザレ・ボルジアの残虐非道な所業や、『君主論』で説かれた「敵国の君主一家は征服後根絶やしにせよ」といった主張を思うと、私としては彼に与するのはためらわざるを得ない所です。

外交、軍事でも、自国と自国民に対しての誠実さ、また古くは乃木希典大将がロシア軍のステッセル将軍に示したような誠実さ、真摯さは決して自国にとっての不利益にはならないかと。太平洋戦争期に我軍が国際法を尊重せず、日露戦争での事例を昔話と軽んじたことが結局は我国に害を為したことも考えます。

「兄弟」「隣人愛」に自ら垣根を設けてきたのが基督教の歴史ですし、私自身も内に山ほど垣根を作ってしまっています。しかし、主イエス・キリストが説かれたのはまさに「すべての人への愛」であり、たとえそれを実践するのに艱難辛苦があっても、実践に努めねばならないのだと思っております。但し、その実践は一見信徒の努力によるようであって、実は主の御恵みに拠っており、それに拠らなければ何事も為し得ないのだとも。

真摯なご返事ありがとうございます。

勿論、私達が マキャベリの論に組みするいわれもなければ、ボルジアの徒となる必要もありません。

しかし、私達は北方の傭兵による首都の略奪と破壊を見たこともないし、朝になって目を覚ますと市の有力者の死体が運河に浮かんでいる…、それがさほど珍しくない日常を生きたこともありません。

耐用年数の過ぎた都市国家ではもはやいかんともし難い、統一と集中へ向けてのマキャベリの熱情と渇望には、共鳴はできなくとも、理解は出来ると思います。

私達がより道徳的であるとまでは思いません。道徳とは緯度の問題であるとパスカルは言いましたが、経度の方も随分関係があると、私は思っております。

過ぎし日露の戦いにおける乃木大将の振る舞いは、仰せの通り賞賛に値します。近代戦の惨禍にもかかわらず、わが武士道も、そしてぎりぎり第一次大戦の初頭までは、騎士道の方も健在でした。ただし、これも相手が帝政ロシアの軍隊であったことが大きいと思います。

昭和の日本が置かれた立場の困難さは 明治の比ではありますまい。また大陸における戦いは、兵士でもあれば農民であり、匪賊でもあれば流民でもあるような…日本でいうと刀狩り以前のワケの解らない状態に介入している訳で。

日本では信長や秀吉が早々と根絶してますので、日本人には野武士や倭寇の昔まで遡らないとイメージが掴めないのではないかと思います。

勿論、政策的な問題や責任が免ぜられるとは思いませんが、相手によって軍の倫理が変わるというのも真実だろうと思います。
独ソ戦では(お互い)捕虜をとらないよう酷薄なデスマッチをやったドイツ陸軍さえ、北アフリカでは英軍相手にほぼフェアーに戦っています。

変な言い方かもしれませんが、最低限、相互の敬意がない相手とは、戦争さえやってはいけませんね。

アレには二度と陥ってはならず、それには、私は離れているのが一番と考えております。

中国に「やむなく」進出する企業群を見ていると、私自身は暗然たる気持ちになります。

レッドバロンさん、こんばんは。

乃木大将のステッセル将軍に対する礼節は日本史上の誇りだと思います。ロシア皇帝のニコライ2世は司馬遼太郎『坂の上の雲』では酷評されていますが、実際は臣民への深い慈愛と責任感を持ち、日本をはじめとする異国異文化への理解も深かったようですね。但しその責任感が「専制君主制への固執、立憲君主制への嫌悪」となっていたのは本人にもロシア国民にとっても不幸なことでした。皇帝は、自分が神から与えられた権力は自分個人の意志では手放すことはできないと考えていたそうです。

私は今の中国には好感は抱けませんが、それでも付き合っていかざるを得ない隣国だと看做しています。また、かの国には長い長い歴史と文化の蓄積があります。私もどれだけ中国文化から精神的影響を受けたか分かりません。昭和中期の左翼のように過度の一方的な好意を持つのは禁物ですが、こちらから敬意を抱くには足る存在だと思うのです。なお私事ですが、父は著作権関係の仕事をしていただけに、相当な嫌悪感を中国のビジネスマナーに対して抱いているようです。

何度も、お返事ありがとうございます。

司馬遼さんは 自分の嫌いな人は無能と決めつける癖があって、(合理主義者はそういうことが多いですよね)若い人達にあれが歴史と思われても困ります。

その後の、乃木大将とステッセル中将の交流、君子の交わりは淡きこと水のごとし、心惹かれるものがあります。東鶏冠山の名と共に、天晴れな敵将・コンドラチェンコ少将の存在も忘れがたくあります。

ニコライ二世は ロシア正教会によって聖人に列せられたとか、何せ、あちらの評価は極端から極端に揺れて、落ち着きどころが見えません。

清朝の擁正帝(康煕帝のご子息)は、今でいう資源問題で越南への武力行使を求める上奏に対して「天朝は利益のために小邦とは争わぬ」と即座に却下しております。

中国の長い歴史と文化に恥じぬよう、学び、かつ振る舞まった満州族出身の皇帝とは比ぶるべくもない。現下の中国の言動は歴代の王朝の中でも間違いなく最低レベルです。

中国が支那の古典文化の継承者なのか、はなはだしく疑問です。イタリア人がローマ人を名乗るより、もっと図々しいかもしれません。

小日本人の言うことなど、聞かなくて結構。天を畏れ、先祖を敬う者なら、それに相応しい生き方をして欲しいものです。王者の民は悠々なるかな、というのもアチラから来た言葉でした。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 仕事に追われています | トップページ | バッハ ヘンデル 私の大好きな音楽 »

2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ