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マルクス・アウレーリウス帝『自省録』を手にして

今日、書店でマルクス・アウレーリウス『自省録』(岩波文庫)を買った。
既に旧版は持っていたが、注釈を増やしたという新版に惹かれた為である。

旧版、新版共に訳文はキリスト教に深く影響された神谷美恵子によるもので、
注釈を読もうとする度に巻末へと頁をめくらねばならないのが難点だが
文章自体は簡潔な名文である。

マルクス・アウレーリウス(アウレリウス)はローマ五賢帝の最後を飾る英主だが
一方でキリスト教を迫害した人物としても知られる。
神谷女史は皇帝のキリスト教理解が足りなかったことと
トラヤヌス帝時代からの政策を継承しただけだとし
「マルクス・アウレーリウスがみずからイニシアティヴを取って迫害をした事実はない」
とされているが、恐らくかの暴君ネロよりマルクス・アウレーリウス帝の名によって
虐殺され殉教した基督者は多かったであろう。

「戦争とはこれほど不幸なことか」と呟きつつ崩じたといわれる賢帝でも
時代の制約から逃れることはできない。
賢帝にして迫害者という事実を、マルクス・アウレーリウス帝の為に惜しむ。

「隣人がなにをいい、なにをおこない、なにを考えているかを覗き見ず、
自分自身のなすことのみに注目し、それが正しく、敬虔であるように
慮る者は、なんと多くの余暇を得ることであろう。
〔他人の腹黒さに眼を注ぐのは善き人にふさわしいことではない。〕
目標に向かってまっしぐらに走り、わき見するな。」(『自省録』より)

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