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一栄一落是春秋

安倍首相が辞意を示したその日は、「後継は麻生氏か」と言われていたのに僅か2,3日のうちに「後継は福田氏に固まる」。その昔、菅原道真公が嘆かれたように真に「一栄一落是春秋」であります。今テレビを見ると麻生氏と福田氏が並んで座り笑みを共に浮かべていますが、内心では互いにどう思っていることでしょうか。

安倍首相の辞意表明のあった水曜日。国立国際美術館で開かれていた「ロシア皇帝の至宝展」を観て来ました。遠くリューリク朝からロマノフ朝の終焉に至るまでの歴代ツァーリがクレムリンに収蔵してきた偉大な遺産の数々を展示しています。数々の至宝を観ての印象を一言でいえば「絢爛豪華だが卑俗ではない」。所謂成金趣味とは違うものを感じました。長い歴史と伝統の中で歴代ロシア皇帝が培った見識が表れている、とも言って良いでしょう。無論、ロシア帝政というものを無条件で賛美はできません。残虐非道を極めたイヴァン雷帝に始まり、王朝が革まってロマノフ朝になっても臣下への血腥い処刑、苛酷な農奴制、強制労働、搾取、自由を求める声の抑圧・・・。剛毅そうなアレクサンドル3世の肖像画に付けられた説明に「ポグロムを黙認」とあるのを見て暗い気持ちになりました。しかしそれでも、後のスターリン体制に比べれば、帝政はロシア臣民に幸福を齎していた、と言い切ることは決して過剰な表現ではないでしょう。最後の皇帝ニコライ2世とアレクサンドラ皇后、その皇子皇女、その他のロマノフ朝皇族たちの悲惨極まりない運命についてはここで詳細に説明する必要はないと思いますが、皇帝が処刑者らを前につぶやいたというイエスの御言「父よ、彼等を赦せ、蓋彼等は為す所を知らず。」を思い出さずにはいられません。

ボリシェヴィキは皇帝を裁判にすら掛けず、何の罪責もない皇子皇女らの生命と人権を「革命の正義」の為抹殺することをためらいませんでした。己の正義を疑わず、僅かな数の旧帝室の人々の命すら尊ばなかったボリシェヴィキが、数多の人々を処刑し、或いは餓死に追い遣った末に暗黒のスターリン体制に至ったことはまさに「歴史の必然」と言えます。皇帝から平民まで、あらゆる人々には生きる権利があり、その事をたとえどのような「正義」を標榜しようとも否定する事は許されない、そのように思います。「至宝展」、多くの事を考えさせてくれました。

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歴史・宗教」カテゴリの記事

コメント

麻生VS福田の構図で総裁選が決まったようなものですが、誰がやるにしろ政治が良くなるとは到底思えませんね。

toshikiさん、初めまして。コメントを下さり有難うございます。
先の参院選で民意の過半が自民党不支持にある事が示されたのですから、衆議院を解散して選挙を行い、改めて民意を問う必要があると思います。

辞任の影で泣いている人笑っている人、様々な欲望が渦巻いているでしょう。
本日は循環器外科の外来でしたが、いよいよ三回目の心臓手術に臨みます。

>三回目の心臓手術

手術が成功しますようにと申し上げ、祈ることしか出来ませんが、どうかくれぐれもお体をお大事になさって下さい。「プールサイドの人魚姫」これまでの分も改めて拝読させて頂きます。

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